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2008年01月のお花

世界で最も知られているお花、薔薇。人を笑顔に変える不思議な芸術品。

季節を問わず購入できる薔薇。最近では流通経路の増大に伴い、種類も豊富にご購入いただける商品となりました。皆さんも1度はご購入頂いた経験があるのではないでしょうか?
その薔薇の歴史を見ながら、以外な薔薇の側面をご紹介します。

今月のお花

アジアや欧米などに自生分布しているバラの近縁種(バラ科、バラ属の植物)は200種にも及ぶとみられています。発掘された化石の分析から、 野生のバラは3千万年も前にすでに北半球の各地に分布していたことが分かっています。それよりずっと前にバラの祖先種は世界のどこかで生まれ、分化しながら各地に伝わっていったのです。
  バラの生まれ故郷はいったい何処なのでしょうか。
真実はまだ誰にも分かっておりませんが、近縁野生種の分布や遺伝的な変異の状況から、専門家はヒマラヤの麓や渓谷あたりが、バラの発祥地としてもっとも可能性が高いとみています。

古代の薔薇

バラは伝説やロマンに彩られた究極の植物であるといわれていますが、単に優れた園芸植物というだけでなく、文芸、美術、さらに香料や薬の分野でもきわだった役割を演じてきました。 クレタ島の壁画(3000-1100BC),バビロニアの叙事詩(2000BC),ギリシャの史家ヘロドトスの著書「歴史(400BC)」,哲学者テオフラストスの植物誌(300BC)など、 バラは紀元前にもいろいろなところに登場してきました。クレオパトラや皇帝ネロも沢山の花びらを宮殿の床に敷きつめたり、ネットにいれて天井から吊したり、 あるいはお風呂に浮かべて楽しむなど、贅沢な使い方をしたことが知られています。
  ちなみに、クレオパトラがアントニウスを迎えたときには宮殿全体をバラで飾り、廊下にはバラの花びらを20㎝ほど敷きつめたと言われています。高価なローズオイルも、 支配者の象徴としてふんだんに愛用したようです。
  政治との関わりではイギリスのバラ戦争が有名です。白バラを徽章とするヨーク家と、紅バラのランカスター家が王座をめぐって激しく対立したのですが、 結局ランカスター派のヘンリー(七世)が王位の座につき上り、ヨーク家のエリザベスを妃とし、シンボルも紅バラと白のTutorローズを用いて国の統一をしました。バラの栽培史については紀元前500年頃に、古代中国の宮殿(周王朝)の庭で栽培されたのがもっとも古い記録だとされています。ギリシャでも紀元前後に栽培されはじめたらしいのですが、 一般化してきたのは3世紀のローマ帝国時代以降といわれています。 ギリシャの女流詩人、Sapphoがバラは「花の女王」であると讃えましたが、それ以来すでに2千年以上も経っています。長い歴史の中でバラの魅力は衰えるどころか益々深まってきているのです。

今月のお花

香料や薬用など

  インド北部のカシミヤ王国で発見されたといわれているバラの精(Attar of roses)は、香水や死者への塗油(Anoint)として広く用いられていました。 しかし、古代中国ではローズオイルを使用できるのは支配層に限られており、フランスでも一般の人たちがローズオイルを使えたのは、結婚式の時ぐらいだったといわれています。 バラの香気成分を分析すると600種類以上もあるそうですが、成分バランスや量によって甘い香りや優雅な香りなど奥深い芳香が生まれます。

ローズオイルはどの時代でも極めて高価で、 同じ重さで比較すると金の6倍以上もしたそうです。ローズオイルの主産国はブルガリアで、輸出先は主にフランスです。
  19世紀に用いられた植物性の薬にはバラの成分を含んだものが多かったといわれています。病気の治癒に効果のある成分は主にバラ、とくに薬用バラ( Apothecary Rose )として知られていた Rosa gallica の花びらに多く含まれていました。バラの花びらを原料として作られた薬は胃の消化薬として広く用いられました。また、ダマスクバラ( Damask Rose、Rosa damascena ) のシロップは下剤として、バラの花びらを酢に漬けた「バラ酢」は鎮静・頭痛薬として用いられました。バラの実から取り出した果肉を砂糖と混合・調整したものも慢性病に効く薬として売られていました。 薬用としての需要は激減しましたが、バラの実はお茶や砂糖漬にして今でもまだかなりの量が消費されており、ビタミンCの供給源になっています。実だけでなく花も食用になります。 このような用途には Rosa rugosa や R.canina が適していると言われています

新しいバラを求めて

  新しいバラを求めてやまないバラ愛好家や育種家達によって、バラは少しずつ姿を変えてきました。このようなローザリアンといわれる人たちは、 いまでも病気や害虫に強い抵抗性のある品種の育成をめざして頑張っています。イングリシュローズは、オールドローズの優雅な花形や芳醇な香りの素晴らしさを見直すきっかけを与えてくれました。 グランドカバーローズも、修景用としてのバラの新しい展開方向を示しています。
  優れた形質を持ちながら、これまで一度も遺伝資源としてバラの育種に使われていない野生バラがまだ沢山あります。これらを交雑の親に活用することによって、 もっと新しいタイプのバラが生まれる可能性があります。バイオテクノロジーを駆使した青色のバラも、近い将来私たちの前に姿を現してくれるでしょう。 バラの行く手はますます明るく刺激的といっても過言ではありません。

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